2010年04月22日
『それで済む話なのか』???
開幕まで10日を切った上海万博で、PRソングに日本のシンガーソングライターOさん
のヒット曲が盗作されていたとの疑惑が出ている問題で、「19日中国上海市の万博
事務局から同曲を 『PRソングとして使用したい』 との申請があり、O さんの事務所
が使用を認めた」 という記事およびその続報を某紙で読んだ。「万博事務局側が
『事実上の盗作を認め』 正式にOさんの曲の使用手続きを踏んだ」 格好で、問題
が長引けば万博イメージ低下とともに当局批判を助長しかねないとみて、異例の対
応をとった、ということのようである。
さらに続報には、中国ではこのことをきっかけに 「気前のいい人だ」 とOさんの好
感度が上がり、その曲が売れるようになったということも書かれているが、この問題、
「このまま “決着” ということで本当にいいのか」、つまり 「今さら申請をし、承諾
されたからといって 『それで済む話か』 」という疑問を簡単に消すことは到底でき
きないだろう。
「盗作」 とは文字通り、立派な 「窃盗」 である。一般的にたとえばある店でそこ
の商品を万引きし、それを店側に見咎められ詰問された際に、「それなら正式に
購入することにして 『代金を支払います』」 といえば無罪放免になるということ
はいくら中国でもありえないだろう。むしろ中国では 「窃盗」 に関する罪は日本
よりはるかに重く、その額によっては 「死刑」 になることすらあるといわれてい
るくらいなのだ。
しかも今回の場合、「万国博覧会」 という、中国の威信をかけた国際的大イベント
に関する重大な問題である。 「気前のいい人」 などと言われてよろこんでいる場
合なのかと思いたくもなる。
というのも、中国では今までにもこういった 「著作権」 に関することにとどまらず、
「知的財産権」を明らかに侵している事例が枚挙に暇がないほどあるからだ。つま
り当局としても企業・個人としてもその権利侵害に対する意識が非常に薄いので
はないかと思われ、今後も同じような事態が発生する可能性は極めて高いと言わ
ざるをえないのである。
21日朝の某TV番組では、そういった中国の実態を具体的に取り上げていた。まず、
中国には 「カバーソング」 ということばは存在しない。つまり他国の人が作曲し
たものをほぼそのまま (実質的に) カバーして、中国人の作曲者名がついた曲と
して発売しているのである。それがもともと日本人アーティストのものだけで2000
曲以上はあるという。それでも最近は 「著作権」 に関する取締りも一応は強化?
されているというが、以前は完全に野放し状態で、オリジナルソングのイメージは完
全に失われているものが多いという。たとえばサザンオールスターズの 「真夏の果
実」 という曲では 「四六時中も好きといって」 というフレーズの部分が 「お金持ち
になれますように」 という意味の中国語の歌詞になっているというのである。
さらに今回の盗作疑惑については (当然のように?) 中国国内ではほとんど報道
されていないようだが、ネットの世界では万博PRソングの中国人作曲者に対して、
「13億人の中国人の恥。厳罰に処するべきだ」 とか 「市中を引きまわして死刑
にすればよい」 というような過激な書き込みが多くなっているという。しかしこれ
についても、もともと中国には数10万人規模の 『ネットやらせ書き込み部隊』が
存在するといわれており、(2月17日の 「こじろう117」・・・「“究極の”やらせ」
参照) 今回も中国当局や万博事務局への非難をかわすために作曲家個人に
すべての罪を “なすりつけようとしている” 可能性を否定できない。
今回いくら盗作をした張本人がその作曲家個人だとしても、それをPRソングとして
正式に採用し使用して実際に万博をPRしてきたのは万博事務局および中国当局
である。一個人に非難を集中させて 「とぼけきろうとする」 のを簡単に認めるわけ
にいかないのではないか。こういうことが今後も平然と行われるとすれば、世界最
大の人口を擁し、今年中にはGDP世界第2位になろうとする名実ともに “超大国”
について、結局 「どこをどう信じたらいいのだろう」 となってしまい、それではあま
りに情けないというものだろう。
以前、イタズラの濡れ衣を着せられて
叱られ、その後に飼い主の謝罪を受け
た際に、「それで済む話なのか」と激
しく怒ったことのある!? こじろう
のヒット曲が盗作されていたとの疑惑が出ている問題で、「19日中国上海市の万博
事務局から同曲を 『PRソングとして使用したい』 との申請があり、O さんの事務所
が使用を認めた」 という記事およびその続報を某紙で読んだ。「万博事務局側が
『事実上の盗作を認め』 正式にOさんの曲の使用手続きを踏んだ」 格好で、問題
が長引けば万博イメージ低下とともに当局批判を助長しかねないとみて、異例の対
応をとった、ということのようである。
さらに続報には、中国ではこのことをきっかけに 「気前のいい人だ」 とOさんの好
感度が上がり、その曲が売れるようになったということも書かれているが、この問題、
「このまま “決着” ということで本当にいいのか」、つまり 「今さら申請をし、承諾
されたからといって 『それで済む話か』 」という疑問を簡単に消すことは到底でき
きないだろう。
「盗作」 とは文字通り、立派な 「窃盗」 である。一般的にたとえばある店でそこ
の商品を万引きし、それを店側に見咎められ詰問された際に、「それなら正式に
購入することにして 『代金を支払います』」 といえば無罪放免になるということ
はいくら中国でもありえないだろう。むしろ中国では 「窃盗」 に関する罪は日本
よりはるかに重く、その額によっては 「死刑」 になることすらあるといわれてい
るくらいなのだ。
しかも今回の場合、「万国博覧会」 という、中国の威信をかけた国際的大イベント
に関する重大な問題である。 「気前のいい人」 などと言われてよろこんでいる場
合なのかと思いたくもなる。
というのも、中国では今までにもこういった 「著作権」 に関することにとどまらず、
「知的財産権」を明らかに侵している事例が枚挙に暇がないほどあるからだ。つま
り当局としても企業・個人としてもその権利侵害に対する意識が非常に薄いので
はないかと思われ、今後も同じような事態が発生する可能性は極めて高いと言わ
ざるをえないのである。
21日朝の某TV番組では、そういった中国の実態を具体的に取り上げていた。まず、
中国には 「カバーソング」 ということばは存在しない。つまり他国の人が作曲し
たものをほぼそのまま (実質的に) カバーして、中国人の作曲者名がついた曲と
して発売しているのである。それがもともと日本人アーティストのものだけで2000
曲以上はあるという。それでも最近は 「著作権」 に関する取締りも一応は強化?
されているというが、以前は完全に野放し状態で、オリジナルソングのイメージは完
全に失われているものが多いという。たとえばサザンオールスターズの 「真夏の果
実」 という曲では 「四六時中も好きといって」 というフレーズの部分が 「お金持ち
になれますように」 という意味の中国語の歌詞になっているというのである。
さらに今回の盗作疑惑については (当然のように?) 中国国内ではほとんど報道
されていないようだが、ネットの世界では万博PRソングの中国人作曲者に対して、
「13億人の中国人の恥。厳罰に処するべきだ」 とか 「市中を引きまわして死刑
にすればよい」 というような過激な書き込みが多くなっているという。しかしこれ
についても、もともと中国には数10万人規模の 『ネットやらせ書き込み部隊』が
存在するといわれており、(2月17日の 「こじろう117」・・・「“究極の”やらせ」
参照) 今回も中国当局や万博事務局への非難をかわすために作曲家個人に
すべての罪を “なすりつけようとしている” 可能性を否定できない。
今回いくら盗作をした張本人がその作曲家個人だとしても、それをPRソングとして
正式に採用し使用して実際に万博をPRしてきたのは万博事務局および中国当局
である。一個人に非難を集中させて 「とぼけきろうとする」 のを簡単に認めるわけ
にいかないのではないか。こういうことが今後も平然と行われるとすれば、世界最
大の人口を擁し、今年中にはGDP世界第2位になろうとする名実ともに “超大国”
について、結局 「どこをどう信じたらいいのだろう」 となってしまい、それではあま
りに情けないというものだろう。
以前、イタズラの濡れ衣を着せられて
叱られ、その後に飼い主の謝罪を受け
た際に、「それで済む話なのか」と激
しく怒ったことのある!? こじろう