2011年08月05日

『適切で、問題なし』???

緊急車両が赤色灯を回しサイレンを鳴らしながら接近してくる。普通のドライバー

であれば、どこでどのように停車したらよいのかと、少なからず緊張する場面だ

ろう。

さて先日某紙に、「一方通行逆走で追跡中、パトカーが車と衝突」 というタイトル

の記事があったが、その内容は、


・・・・・・・・ 2日午前0:45分ごろ、静岡県三島市の市道交差点で、同県警三島

       署地域課のS巡査部長 (31才) のパトカーと同市内の飲食店従業

       員Tさん (35才) の乗用車が出合い頭に衝突した。

       Tさんと同乗の女性 (19才) の2人が首や腰に軽傷を負った。

       発表によると、現場は信号のある交差点。パトカーは現場から約900m

       の地点で一時停止違反をした原付バイクを見つけ、赤色灯を回して追跡

       中で、一歩通行を逆走していた。バイクはそのまま逃走した。

       パトカーははずみで道路わきの民家駐車場に突っ込み、駐車中の乗用

       車2台にぶつかるなどして止まった。

       同署の副署長は 「追跡行為は適切で、問題はないと考えている。事

       実関係を調査し、しかるべく対応したい」 と述べている・・・・・・


というものである。

警察関係にかぎらず、いわゆる緊急車両と一般車の衝突事故については、今までも

この 「こじろう117」 で何回か取りあげてきたが、その際の警察署の幹部らによる

「追跡行為は適切で、問題なかった」 という 「定番中の定番コメント」 。記事のタ

イトルからおそらくこの文言が出てくることを予想していたが、実際に最後にその通り

であったことを今回も確認でき、なんともうれしかった。

緊急自動車が接近した際に、その走行を妨げることは法律上および道義上許されな

いのはその通りである。だからこそ普通のドライバーはその接近に際し、細心の注意

を払い、かつ大いなる緊張を強いられて進路を譲るべく努めるわけであるが、絶対的

優先状況にあるとはいえ、緊急自動車側としてもやはり事故を絶対に起こしてならな

いのはいうまでもない。

したがって、今回もいくら法律上うんぬんを語ったところで、結果的に事故につながっ

た責任そのものを警察側は完全に回避することはできないわけである。それが無条

件に認められてしまえば、単なる一時停止違反の取締りのために (それも立派な?

法律違反ではあるが) 複数の死亡者が出るような重大事故が惹起されてもかまわ

ないということになってしまう。

治安を司る警察が立場上、他の公的機関以上にその体面を重視せざるを得ないの

は、たしかにその通りであろう。またこういった事故にかぎらず、警察署幹部としての

コメントなどには当然、最も無難に済ますためのマニュアルが存在することも想像で

きる。しかしこのような事故に関して、毎度おなじみの判で押したような 「追跡行為

は適切で、問題はなかった」 だけは、聞いている市民の神経を逆なでするだけであ

るということに、できるだけ早く気付いてほしいものである。


イタズラして飼い主に叱られる際に
毎回 「判で押したような叱り文句」
はウンザリな!?    こじろう





  


Posted by こじろう117 at 00:03Comments(0)ペット