2010年07月05日
『傍観者』 でいられるか???(その1)
先日某紙朝刊の 「私の声」 という欄に 「運賃両替 バスでの後悔」 というタイトルで
82歳の男性の投稿が掲載されていた。
その内容は、
「駅まで100円という区間のバスの中。Z寺参りの帰りか、ショルダーバッグを掛けた実直
そうな中年男性があたふたと乗り込んできた。運転手に 『5000円札は両替できないで
すかねえ』 と聞いている。 『5000円はダメだね。降りて細かくしてきてくれない?』 と
運転手は恐縮するふうもなく答えた。 (中略) その男性は困ったような顔をして降りて
いった。動き出したバスの窓から、彼のとぼとぼ歩いている姿が目に入った。新幹線の都合
とか、予定の時刻に間に合わなかった場合を考えると、少々胸が痛んだ。 (中略) 両替機
が受け付けないからといって、わずかな運賃のことで乗客を降ろしてしまうのは少々冷たい
のではないか。乗客にとっても、せっかくのZ寺参りを後味の悪いものにしてしまったので
はないかと残念に思った。家でこの話をしたら、『どうしてあなたが立て替えてあげなかっ
たの?』 と妻のひと言。とっさに気づかなかったとはいえ、これは参った一本とられた。
傍観者を決め込んでぼーっとしていた小生が一番悪かったのかもしれないと、後悔のほぞ
をかんでいる」
というものである。
今回のこの場面における、バス運転手やバス会社の対応については道路運送法上の解
釈はともかくとして、まずは 「もっともなものだ」 という見方があるだろう。それには 「た
かが100円とはいえそれは正当な運賃として当然徴収しなくてはならないし、また普通
バスのような公共交通機関を利用する際にはあらかじめ小銭を用意しておくなどは常識で
あるともいえる。さらには運転手がこの一人の乗客に関わっていることでバスの発車時間
に遅れが出るなどとなれば、 (他人に迷惑をかけないように) しっかりと小銭を用意し
てきている他の乗客に迷惑をかけることになる」 などの理由が考えられる。
しかしまた見方を変えれば、この82歳の男性が感じているように (バス運転手および
バス会社の対応は) 「少々冷たいのではないか」 という意見も少なくないと思われる。
それは 「誰でもたまたま小銭の持ち合わせがないことはありうるし、普通はどのような
業種でも客側の支払いに対して即座に釣銭などを出せるようにしておくこともまた常識で
ある。両替機にしても高額紙幣に対応できないものしか設置してないのは、バス会社側
の事情によるものではないか。またその場で支払えなくても目的地に到着後、何らかの
方法で支払うことは可能であり、そもそもこのような理由で乗車そのものを拒否するのは
道路運送法に抵触するのではないか」 などという論拠である。
厳密な法的解釈についてここで論ずるつもりはないし、またこのような場合の対処の仕方
はバス会社によって異なっていたり、あるいはその会社の内部でさえ乗務員によりその対
応はさまざまである可能性も高い。したがって今ここで 「バス運転手、バス会社はこう
いう場合どうすべきであるか」 ということをテーマとするのはいろいろな意味で現実的
ではないが、少なくとも投稿した男性のように 「自分がその場にいたとしたら果たして
どういう立場、行動をとることができただろうか」 ということを考えるには格好の機会で
あるかもしれない。この続きは改めて 「こじろう117」 にて述べることにしたいと思う。
飼い主の自動車に自ら 「乗車拒否」 を
して困らせることのある!? こじろう
82歳の男性の投稿が掲載されていた。
その内容は、
「駅まで100円という区間のバスの中。Z寺参りの帰りか、ショルダーバッグを掛けた実直
そうな中年男性があたふたと乗り込んできた。運転手に 『5000円札は両替できないで
すかねえ』 と聞いている。 『5000円はダメだね。降りて細かくしてきてくれない?』 と
運転手は恐縮するふうもなく答えた。 (中略) その男性は困ったような顔をして降りて
いった。動き出したバスの窓から、彼のとぼとぼ歩いている姿が目に入った。新幹線の都合
とか、予定の時刻に間に合わなかった場合を考えると、少々胸が痛んだ。 (中略) 両替機
が受け付けないからといって、わずかな運賃のことで乗客を降ろしてしまうのは少々冷たい
のではないか。乗客にとっても、せっかくのZ寺参りを後味の悪いものにしてしまったので
はないかと残念に思った。家でこの話をしたら、『どうしてあなたが立て替えてあげなかっ
たの?』 と妻のひと言。とっさに気づかなかったとはいえ、これは参った一本とられた。
傍観者を決め込んでぼーっとしていた小生が一番悪かったのかもしれないと、後悔のほぞ
をかんでいる」
というものである。
今回のこの場面における、バス運転手やバス会社の対応については道路運送法上の解
釈はともかくとして、まずは 「もっともなものだ」 という見方があるだろう。それには 「た
かが100円とはいえそれは正当な運賃として当然徴収しなくてはならないし、また普通
バスのような公共交通機関を利用する際にはあらかじめ小銭を用意しておくなどは常識で
あるともいえる。さらには運転手がこの一人の乗客に関わっていることでバスの発車時間
に遅れが出るなどとなれば、 (他人に迷惑をかけないように) しっかりと小銭を用意し
てきている他の乗客に迷惑をかけることになる」 などの理由が考えられる。
しかしまた見方を変えれば、この82歳の男性が感じているように (バス運転手および
バス会社の対応は) 「少々冷たいのではないか」 という意見も少なくないと思われる。
それは 「誰でもたまたま小銭の持ち合わせがないことはありうるし、普通はどのような
業種でも客側の支払いに対して即座に釣銭などを出せるようにしておくこともまた常識で
ある。両替機にしても高額紙幣に対応できないものしか設置してないのは、バス会社側
の事情によるものではないか。またその場で支払えなくても目的地に到着後、何らかの
方法で支払うことは可能であり、そもそもこのような理由で乗車そのものを拒否するのは
道路運送法に抵触するのではないか」 などという論拠である。
厳密な法的解釈についてここで論ずるつもりはないし、またこのような場合の対処の仕方
はバス会社によって異なっていたり、あるいはその会社の内部でさえ乗務員によりその対
応はさまざまである可能性も高い。したがって今ここで 「バス運転手、バス会社はこう
いう場合どうすべきであるか」 ということをテーマとするのはいろいろな意味で現実的
ではないが、少なくとも投稿した男性のように 「自分がその場にいたとしたら果たして
どういう立場、行動をとることができただろうか」 ということを考えるには格好の機会で
あるかもしれない。この続きは改めて 「こじろう117」 にて述べることにしたいと思う。
飼い主の自動車に自ら 「乗車拒否」 を
して困らせることのある!? こじろう