こじろう１１７

社会では、TPOに応じたそれなりの服装や身だしなみというものが求められるのが当然

であるが、まだ社会人でないとはいえ中高生ともなれば、やはりある程度のそれらに対

する節度が要求されるのはいたし方ない。

また義務教育の小中学校ならともかく、高校とは本来学習その他の健全な目的を有した

生徒が集うところであり、別に通いたくなければ通わなくてよいものでもある。さらには高

校側としても　「高校生にふさわしくない」　「他の生徒に迷惑、悪影響を与える可能性が

ある」　ような生徒の入学を拒むことは一般に非難に値しないだろう。

昨日、共同通信配信の記事に　「都立蒲田高校で不正入試、服装や頭髪で不合格者」　

というタイトルのものがあったが、その内容は


・・・・・・・　東京都教育庁は２５日、都立蒲田高校の０７年度と０８年度の入試で、服装

　　　　　　や頭髪などの外見で面接点などを改ざんし、本来合格した２１人を不合格にし

　　　　　　ていたと発表した。都は当時校長だった西部学校経営支援センターのS課長　

　　　　　　（５５才）　を懲戒免職にした。

　　　　　　都によると、茶髪やピアスをしたり、服装に乱れがあると判断した受験生につ

　　　　　　いて面接や小論文の総合成績　（千点満点）　から最大で１５４点を減点、不

　　　　　　合格にしたという。

　　　　　　０７年度は面接点を改ざんしただけだったが、０８年度は面接点だけでは不合

　　　　　　格にできず、小論文や実技検査も減点。合否調整のため、本来は不合格の９

　　　　　　人に加点し合格にした。昨年匿名の情報が都に寄せられ発覚した・・・・・・・


というものである。

記事の中にある０８年度の面接点の　「改ざん」　および　「小論文や実技検査も減点」　

という部分は、どのように言い訳しても高校側として　「不正入試」　の誹りを免れること

は難しいだろう。いかなる理由があろうとも、絶対公正であるべき公立校の入試でデー

タの改ざんは容認されるものではない。

だがそれに対して、０７年度の　「茶髪やピアスをしたり、服装に乱れがあると判断した

受験生に面接や小論文の総合成績から減点した」　という部分に関しては、もし非難の

対象になるとすれば、個人的にはその理由がわからない。もちろん　「総合成績の評価

方法や採点基準」　について知っているわけではないので何ともいえないが、一般には

その中の　「面接」　という試験において、「服装の乱れ」　というのは最も大きな減点事

由になると思われるからだ。普段自宅などでその生徒がどのような服装をしようとそれ

は勝手である。しかし、一応？学業、その他に励むために入学しようとしている　（入学

させていただく）　学校に、しかも入学試験に際し、受験生としてふさわしい格好をして

臨むのは最低限の礼儀である。特に義務教育でもない高等学校に入学するにあたって

は、そういった最低限の礼儀や常識を身につけていることが要求されてしかるべきであ

ろう。

「人を外見で判断してはいけない」　というのは、裏を返せば　「人は一般に外見で判断

される」　ということでもある。当然、外見さえよければよいというものではないが、社会

生活においては、その場その場に合ったそれなりの外見が求められるのは当然であり、

１０代中盤ともなれば、そういった人間社会の最低限の常識やルールは身についていて

おかしくないし、少なくとも身につける努力はする必要がある。外見の問題にとどまらず、

それがなされていないと、たとえば厳粛な成人の日の式典で傍若無人に振る舞ったり、

社会に出ても周囲に対する迷惑行為を繰り返す可能性は高いといえるだろう。最初から

そういうことを学ぶつもりのないと思われる、あるいはそういった姿勢に欠けている生徒

を積極的に受け入れる義務は、少なくとも公立高校側には存在しない。

ただ、そういう外見を主たる理由として不合格になった生徒に同情しなくてはならない

のは、それまで周囲にそういうことを教えてくれる大人　（人生の先輩）　が存在しなか

ったということである。


犬の世界ではその外見が重視されること
が多いが、自分は中身で勝負したいとい
う思いに変わりはない！？　　こじろう