よく 「奇跡的に助かった」 というような事例を報道で目にするが、昨日飛び込んで
きたニュースにおける内容こそまさに “奇跡” としか言いようがないだろう。
その記事のタイトルは 「社宅10階 父親が1歳児長男投げ落とす」 というもので
内容は、
・・・・・・・・15日午前9時頃、東京都江東区の大手ゼネコンK社の社宅に住む同社
社員の男 (37才) から、「子どもを殺した」 との110番があった。
警視庁深川署員が現場に駆け付けたところ、12階建ての社宅敷地内
の植え込みで倒れていた長男が見つかった。長男は病院に搬送された
が、目立った外傷はなく、無事だった。
同署では男が 「自室の10階から投げ落とした」 と話していることから
殺人未遂容疑で逮捕状を請求した。
同署幹部によると男は調べに対し、自室内で長男の首を絞めた後、寝
室の窓から投げ落としたと供述。動機については 「仕事上の悩みがあ
った」 などと話しているという。男の妻は事件当時外出していた。
長男は発見当時、植え込みの中で手をばたつかせて泣いており、救急
隊員に保護され病院に搬送された。転落した植え込みは高さ40~50
センチの木が生い茂っており、木がクッションになって一命を取り留めた
とみられている・・・・・・・・・・・・
というものである。
「子育てに悩んでいた」 という理由で、自らの子どもに手をかける親がいるというの
は聞いたことがあるが、 「仕事上の悩みがあった」 という理由で自分自身の生命
を絶つならともかく、全く無関係な 「子どもを殺す」 というのは理解に苦しむとしか
いいようがない。すでに精神状態が正常とはいえなかったことは推測されるものの、
犠牲になりかけた当の長男としては (今その自覚はないにせよ) まさに 「冗談
じゃないよ」 というものだ。
それにしてもこの1才の長男。10階の高さから突き落とされれば、通常ならよくて重
傷、まず生命を落としてもおかしくない状況下で、 「かすり傷」 程度で済んだとは
相当な強運の持ち主であることに疑いはない。せっかく助かった命を大切にして立
派な人間に成長することを願うばかりだ。しかし、これだけ全国で大がかりに報道さ
れてしまった事件である。いずれこの長男が物事を理解できる年頃になれば、今回
のことを知る機会がやってくるのを避けられない。その際 「自分は父親によって殺
されかけたことがある」 という事実を知ったときのショックはいかばかりであろうか、
と想像するだけで恐ろしくなってしまう。
このまれにみる強運の持ち主の輝ける将来を守るため、周囲の大人たちはもちろん、
マスコミの節度ある対応をはじめ、社会全体ににさまざまな配慮が求められるのは
いうまでもない。
以前、飼い主のミスで 「大ごと」 に
なりそうになったが、それを自力で
克服したことを誇りに思っている!?
こじろう