「モンスターペアレント」 といわれるような事例はともかく、子どもの親が学校や教員
に対して関心を抱き、さまざまな要望をするのは一般的である。そしてその元となる
情報は多くの場合、現場にいる子どもの側から親の耳に入るものだろう。
さて先日某誌に 「修学旅行の夜 親からの苦情で先生たちにアルコール禁止令」
というタイトルの記事があったが、その内容は、
・・・・・・・・ かつての修学旅行では、生徒が寝静まった頃に行なわれていた先生た
たちの宴会。生徒の消灯時間の後は 「大人の時間」 「お疲れ会」 と
ばかりに部屋でアルコール宴会を楽しんでいたわけだが、現在はどうも
様相が異なるようだ。
修学旅行生を長年受け入れてきた旅館の女将が 「先生たちも大変な
ようで」 と話を切り出した。 「夜、一日お疲れさま、ということでアルコ
ールをお出ししたいのだけど、最近は学校の方で禁止されているとかで
ダメになっちゃってねえ・・・」 とのこと。
聞くところによると、以前トイレに起きた児童が先生たちが別室で宴会
をしているのを発見。飲酒をしていた事実を親に伝えたところ、親が学
校に電話し、「修学旅行中は24時間勤務でしょ!酒を飲んで子どもた
ちに何かあったらどうするの!」 と激怒したというのだ。
前出の女将は 「勤務中だし、生徒を預かっている身としてはそうかも
しれないけど、何かねぎらいたくてねえ・・・。時代も変わったわ」 と語
った・・・・・・・・・・・
というものである。
実は小学6年生時の修学旅行の際の消灯後、自分自身で宴会らしきものをしてい
る先生たちの部屋の前を通り過ぎたことがある。だいぶ以前のことなので詳細はと
もかく、明らかにアルコールを嗜んでいる雰囲気で大声で楽しそうに談笑しているの
を耳にしたが、 (当時11~12才の子どもだったから当然としても) 別にそれにつ
いてどうこう感じたことはなかったし、帰宅して両親にそのことを “告げ口” ?した
記憶はない。
現在、修学旅行等の宿泊行事の際における教員の飲酒などに関する規定が一般
にどのようなものかは知らない。たしかに 「その間に子どもに何かあったらどう責
任をとってくれるのか」 という親側の言い分の趣旨も理解できる一方で、別に全て
の教員が一同に飲酒しているわけでもないだろうし、時間毎に見回りの分担なども
当然決められているだろうから、旅館の女将がいうように 「一日お疲れさま」 と
いう気持ちから、この件にそれほど目くじらを立てる必要もない気もしてしまう部分
もある。
それよりむしろ個人的に気になるのは記事の中にある、教員らの宴会?を目撃し
た児童がどのような気持ちで自分の親にそれを告げたかということである。たとえ
ば 「偶然目にしたことをありのままに、何気なく家庭で話題にした」 というのな
ら何ということはない。だが、もし日常から 「教員の一挙手一投足に関心を持ち、
そのことを時には大げさに親に 『告げ口』 し、それを耳にした親が嬉々として?
学校や教育委員会などにクレームをつけたり、ならびにそれによって親からほめ
られることを期待する」 ような動機によるものだとしたら、まだ十代前半の成長
期にある児童の行動としてはいかがなものだろうか、となるだろう。
今回のことをいわゆる 「モンスターペアレント」 の関連であるというつもりはな
い。また子どもの親や保護者として学校側にさまざまなことを要望すること自体、
何ら問題はない。しかし、それが本来 “無邪気” で “無垢” であるべき児童
の側が最初から 「あの教師は気に入らないから、何かと親に報告して困らせて
やろう」 という意図を有してのことだとしたら、その児童の将来にとって好ましい
こととは決していえないだろう。「自分、および自分の子どものことしか考えず、
理不尽極まりない要求を繰り返すどうしようもない親」 が、そのしっぺ返しによ
りその後どのような人生を送ろうとそれは勝手である。しかし、これから理性的
な青年へ成長していく大切な途上にある子どもたちに、同じ道をたどらせる権利
は、たとえ実の親でも行使すべき立場にはないはずだ。
( 「こじろう117」・・・
『超 モンスター』???・・・
『過剰反応』 は考えもの???・・・
参照)
飼い主の失態を家族に 「告げ口」 する
ことを自らの役割だと考えている!?
こじろう